今年の8月末、同年7月の有効求人倍率、完全失業率、1世帯当たりの消費支出などの数値を含む3つの調査(一般職業紹介状況、労働力調査・家計調査)が公表されました。
有効求人倍率が高水準であったことから、閣議でも話題に上るなど、注目を集めました。
――――― 今年7月の有効求人倍率など ―――――
●7月の数値
・有効求人倍率⇒「1.52倍」(前月比0.01ポイント上昇。43年5か月ぶりの高水準)
〔正社員の有効求人倍率も「1.01倍」と前月に引き続き1倍を上回る〕
・完全失業率⇒「2.8%」(前月と同水準)
・1世帯当たりの消費支出⇒「279,197円」(前月比で実質1.9%減少。前年同月比でも実質0.2%減少)
●厚生労働大臣のコメント
厚生労働大臣は、閣議の場で、今年7月の有効求人倍率、完全失業率に触れ、「現在の雇用情勢は着実に改善が進んでいると判断をしております」とコメントしました。
1世帯当たりの消費支出に触れず、とても前向きな見解でした。
●報道機関などの見解は?
その一方で、報道機関などの見解は、雇用のほか所得も堅調であるが、消費支出は低迷しているとし、そのような状況から「アベノミクスが目指す好循環は道半ば」といったものが目立ちました。
☆ 有効求人倍率は、有効求職者数に対する有効求人数の割合で、厚生労働省が全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出するものです。倍率が1を上回れば人を探している企業が多く、下回れば仕事を探している人が多いことを示します。
現在の状況は、43年ほど前と同じぐらい「人を探している企業が多い=人手不足」ということになります。
しかし、現在の人手不足は、少子高齢化の進行による人口構造の変化によるところが大きいかもしれません。人材確保に向け、高齢者の活用などの工夫が必要とされる時代といえます。