厚生労働省から、令和6年度の年金額改定についてお知らせがありました。
令和6年度の年金額は、法律の規定に基づき、2.7%の引き上げになります。
また、在職老齢年金の計算に用いる「支給停止調整額」についても、
名目賃金の変動に応じて改定が行われます。ここでは、在職老齢年金に着目してお伝えします。
―――在職老齢年金の計算に用いる「支給停止調整額」の改定(令和6年4月~)―――
厚生年金保険における在職老齢年金制度について、支給停止が開始される賃金と年金の合計額の基準となる額(支給停止調整額)が、
「48万円」から「50万円」に改定されます。
~令和6年3月
↓ 令和6年4月~
〈補足〉上記の支給停止の仕組みは、令和4年4月施行の改正で、 60歳台前半の在職老齢年金と60歳台後半・70歳以上の在職老齢年金に共通のものとなっています。
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☆ 老齢厚生年金の受給権者である在職者について、
年金が支給停止されないギリギリのラインで賃金を支払う場合は、
賃金を2万円アップできるということになります。
労災保険率を改定 令和6年4月から
令和6年4月1日から、
労災保険率、第2種特別加入保険料率、労務費率が改定されることになりました。
そのポイントは、次のとおりです。
――――――― 令和6年4月からの労災保険率などの改定のポイント ―――――――
□ 労災保険率を、業種平均で1,000分の0.1引き下げ(平均「1000分の4.5」→「1,000分の4.4%」)
……全54業種(船舶所有者の事業を含む)中、17業種で引き下げ、3業種で引き上げとなる。
□ 一人親方などの特別加入に係る第2種特別加入保険料率を改定
……全25区分中、5区分で引き下げとなる(引き上げとなる区分はなし)。
□ 請負による建設の事業に係る労務費率を改定
<労災保険率の改定について> ○改定された業種の例 ・水力発電施設、ずい道等新設事業:1,000分の62― 改定 ↘→1,000分の34 ・食料品製造業:1,000分の6― 改定 ↘→1,000分の5.5 ・ビルメンテナンス業:1,000分の5.5― 改定 ↗→1,000分の6
○改定されなかった業種の例(各率を据え置き) ・金属鉱業、非金属鉱業又は石炭鉱業:1,000分の88(最も高い労災保険率) ・卸売業・小売業、飲食店又は宿泊業:1,000分の3 ・金融業、保険業又は不動産業:1,000分の2.5(最も低い労災保険率の一つ〔他に3業種〕) ・その他の各種事業:1,000分の3
㊟これらは、メリット制の適用がない場合の労災保険率です。
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☆ 労働保険料の申告・納付(継続事業においては年度更新)に備えて、
貴社の業種に適用される労災保険率の改定の有無などを確認しておく必要があります。
〈補足〉雇用保険率(例:一般の事業では1,000分の15.5)及び一般拠出金率(一律1,000分の0.02)については、令和6年度における改定は予定されていません。