雇用保険の雇用継続給付に係る支給限度額等の変更

 

 

令和5年8月から、雇用保険の高年齢雇用継続給付の支給限度額等が変更されています。

これを機に、高年齢雇用継続給付の支給額の計算の仕組みを再確認しておきましょう。

 

―――――――――― 高年齢雇用継続給付の支給限度額等の変更 ―――――――――

【前提】高年齢雇用継続給付とは

雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の被保険者が、賃金が低下(60歳時点の賃金の75%未満に低下)した状態で働き続ける場合に支給されます。

同一事業所で働き続ける場合に支給される「高年齢雇用継続基本給付金」と、基本手当の受給後に再就職した場合に支給される「高年齢再就職給付金」の2種類に分かれます。

 

 

<高年齢雇用継続給付の支給限度額>

令和5年7月31日の時点:364,595円 ➡ 令和5年8月1日から:370,452円 

確 認 高年齢雇用継続給付の支給額

一の支給対象月(一暦月)について、賃金の低下の割合に応じて、次のように計算した額が支給されます。

●支給対象月の賃金が「60歳到達時の賃金の月額」に比べ61%未満に低下

……支給対象月の賃金×15%

●支給対象月の賃金が「60歳到達時等の賃金の月額」に比べ61%以上75%未満に低下

……支給対象月の賃金×15%から逓減するように厚生労働省令で定める率

 

注① 支給対象月の賃金が、支給限度額(370,452円)を超えるときは、その支給対象月には支給されない。また、上記のように計算した額に支給対象月の賃金を加えた額が、支給限度額を超えるときは、「支給限度額-支給対象月の賃金」が支給される。

注② 支給額として計算した額が、2,196円を超えないときは、その支給対象月には支給されない。

注③ 60歳到達時等の賃金の月額は、486,300円を上限とし、82,380円を下限とする。

 

 

 

☆ なお、同月から、雇用保険の育児休業給付・介護休業給付の上限額なども変更されています。

 

 

 

“いじめ・嫌がらせ”が労働トラブルのトップ 相談件数では11年連続

 

 

厚生労働省から、令和4年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。

 

「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援するもので、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。

 

 

―――――― 令和4年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」のポイント ――――――

 

 

●総合労働相談件数は、124万8,368件で、15年連続で100万件を超え、高止まり

●民事上の個別労働紛争における相談、助言・指導の申出、あっせんの申請の全項目で、「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多(下記は、各項目の「いじめ・嫌がらせ」の件数)

○民事上の個別労働紛争の相談件数では、69,932件(前年度比18.7%減)〔11年連続最多〕

……下記の【図】参照

〇助言・指導の申出では、1,005件(同40.5%減)〔10年連続最多〕

〇あっせんの申請では、866件(同26.1%減)〔9年連続最多〕

 

【図:民事上の個別労働紛争|主な相談内容別の件数推移(10年間)】

 

画像1

 

 

※ 令和4年4月の改正労働施策総合推進法の全面施行に伴い、(これまで「いじめ・嫌がらせ」に含まれていた)同法上のパワーハラスメントに関する相談は全て(同法に基づく対応となり)別途集計することとなったため、令和3年度以前と令和4年度以降では集計対象に大きな差異がある。

 

☆ 個別労働紛争のトップが「いじめ・嫌がらせ」であるということは知っておきたいところです。

このような状況をみると、各企業において、各種ハラスメントの防止対策などに万全を期す必要があるといえます。

 

 

 

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