労基署の監督指導につながる特別労働相談 結果を公表(厚労省)

 

 

厚生労働省から、令和3年11月に、

過重労働解消キャンペーンの一環として実施された

「特別労働相談受付日における相談結果」が公表されました。

 

そのポイントと主要な相談事例を紹介します。

 

――――――特別労働相談受付日における相談結果のポイントと相談事例――――――

 

<相談結果のポイント>

■主な相談内容……相談件数の合計は480件

〇長時間労働・過重労働     56件(11.7%)

〇パワハラ          48件(10.0%)

〇解雇・雇止め         47件 ( 9.8%)

〇賃金不払残業                46件 ( 9.6%)

〇休日・休暇         40件 ( 8.3%)

 

<相談事例の例>

長時間労働、賃金不払残業

○ 現場代理人(建設業)【年齢不明、労働者】

始業は9時となっているが実際は7時30分から勤務している。

残業時間は先月80時間、先々月100時間であった。

残業代は固定残業代4万円と深夜手当が支払われているが、残業時間に見合っていない。

残業があまりに長いので体調に不安を覚え、産業医との面談を希望したが、

会社から「なんで面談するんだ、他の誰も希望していない。」等の嫌みを言われた。

現在はうつ病と診断されているが、会社は休職させてくれない。

 

長時間労働、賃金不払残業、休日・休暇

○ CG製作業務(金融・広告業)【20代、労働者の家族】

息子が毎日9時半から働き始め、深夜0時~2時頃まで働いている。

隔週土曜日と日曜日が休日だが、在宅で仕事をしており、休みが取れていない。

時間外・休日労働時間数は月120時間程度。

休日手当は一切支払われていないし、振替休日や代休もない。

社長からのノルマや仕事の期日も厳しく「嫌なら辞めてもらって良い」と言われている。

 

 

 

☆ これらの相談のうち、労働基準関係法令上、問題があると認められる事案については、

相談者の希望を確認した上で労働基準監督署に情報提供を行い、

監督指導を実施するなど、必要な対応が行われています。

 

ここで紹介した相談事例は、極端にひどいものかもしれませんが、

家族からの相談も受け付けられています。

ここで相談されているような事例が生じていないか?

確認してみてはいかがでしょうか。

他の相談事例についても気軽にお問い合わせください。

 

 

 

雇用保険料率の引き上げなどを盛り込んだ雇用保険法等の改正法案を国会に提出

 

 

令和4年2月1日、「雇用保険法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され、

令和4年の通常国会に提出されました。

この改正法案による改正の概要を確認しておきましょう。

 

 

―――――― 「雇用保険法等の一部を改正する法律案」による改正の概要 ――――――

 

1. 失業等給付に係る暫定措置の継続等【雇用保険法、雇用保険臨時特例法】

 

① 雇止めによる離職者の基本手当の給付日数に係る特例、

雇用機会が不足する地域における給付日数の延長、

教育訓練支援給付金等の暫定措置を令和6年度まで継続するとともに、

コロナ禍に対応した給付日数の延長の特例について、

緊急事態措置の終了日の1年後までを対象とする等の見直しを行う。

 

② 基本手当の受給資格者が事業を開始した場合等に、

当該事業の実施期間を失業等給付の受給期間に算入しない特例を設ける。など

 

2.求人メディア等のマッチング機能の質の向上【職業安定法】

 

新たな形態の求人メディア(ネット上の公表情報を収集する求人メディア等)について

「募集情報等提供」の定義に含めるとともに、

募集情報等提供事業者を、雇用情報の充実等に関し、

ハローワーク等と相互に協力するよう努める主体として法的に位置づける。 など

 

3.地域のニーズに対応した職業訓練の推進等【職業能力開発促進法】

キャリアコンサルティングの推進に係る事業主・国等の責務規定を整備する。など

 

4.雇用保険料率の暫定措置及び雇用情勢等に応じた機動的な国庫負担の導入等

【雇用保険法、労働保険徴収法、特別会計法】

 

① 雇用保険の失業等給付に係る保険料率(原則0.8%)について、

令和4年4月~9月は0.2%、10月~令和5年3月は0.6%とする。

 

② 求職者給付の国庫負担割合について、

雇用保険財政や雇用情勢に応じて異なる国庫負担割合を適用するとともに、

別途国庫から機動的に繰入れ可能な仕組みを導入する。

 

また、育児休業給付等の国庫負担割合の引下げの暫定措置を令和6年度まで継続し、

求職者支援制度の国庫負担割合の引下げの暫定措置は、当分の間、本則(1/2)の55/100とする。など

 

<施行期日>

原則として、令和4年4月1日(ただし、1.②は令和4年7月1日など、例外もある)

 

 

 

☆まだ案の段階ですが、令和4年度の雇用保険の保険料率については、

イレギュラーな引き上げが行われることになりそうです。

(年度の途中の引き上げとなれば、20年ほど前の平成14年度以来)

 

弾力条項の発動の有無や、徴収方法がどうなるかも含め、動向に注目です。

必要な情報は、適時お伝えします。

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