令和3年の通常国会で育児・介護休業法等を改正する法律が成立し、
段階的に施行されることになっています。
今回は、令和4年4月から施行される
「有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和」のポイントを紹介します。
――――― 有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和のポイント ―――――
有期雇用労働者(期間の定めのある労働契約により雇用される者)も、一定の要件を満たせば、
育児休業および介護休業の対象となりますが、その要件が、次のように改正されます。
☆ 有期雇用労働者について、「引き続き雇用された期間が1年以上」という要件は削除されました。
しかし、「引き続き雇用された期間が1年未満」の労働者は、
有期雇用であるか無期雇用であるかを問わず、
育児休業・介護休業の労使協定による適用除外の対象となっています。
したがって、その適用除外規定(労使協定)があれば、
令和4年4月1日以降も、実質的には対象者を改正前と同様とすることが可能です。
いずれにしても、就業規則(育児・介護休業規程)を整備する必要があります。
パワハラの相談が5年前より増えた企業が約4割(経団連の調査)
経団連(日本経済団体連合会)から、
「職場のハラスメント防止に関するアンケート結果(2021年12月7日)」が公表されました。
報道で話題になった部分を中心に、そのポイントを紹介させていただきます。
――――― 職場のハラスメント防止に関するアンケート結果のポイント ―――――
【調査目的】大企業でのパワハラ防止措置の義務化などの施行から1年が経過したことを踏まえ、
企業における課題や取組みについて調査し、
今後の政策を検討する参考とするとともに、効果的な取組等を広く展開するため。
(調査期間:本年9月7日~10月15日/調査対象:経団連会員企業/回答企業数:400社)
<調査結果のポイント>
・パワーハラスメントに関する相談件数は、「増えた」が44.0%と最も多く、次いで「変わらない」が30.8% ・セクシュアルハラスメントに関する相談件数は、「変わらない」が45.3%と最も多く、次いで「減った」が28.8% ・その他のハラスメントに関する相談件数は、いずれも「これまで相談なし」が50%超
・ハラスメント防止・対応の課題について、特にあてはまる上位3つを選択としたところ、「コミュニケーション不足」が63.8%、次いで「世代間ギャップ、価値観の違い」が55.8%、「ハラスメントへの理解不足(管理職)」が45.3%
・ハラスメントに関する集合研修の実施が73.5%と最も多く、次いでeラーニング実施が66.5%、事案等の共有が61.8%
・複数の相談窓口の設置(人事、社外、コンプライアンス、EAP等)が82.5%、次いで、相談窓口の定期的な周知が73.8%、社外の専門機関や専門家の活用が72.3% ・企業が相談内容を幅広く受付けている企業は50.3%
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☆上記は、大企業中心の調査結果ですが、
令和4年4月からは、中小企業においてもパワハラ防止措置の義務化が適用されます。
ハラスメント対策は、企業規模を問わず、各企業の重要な課題となります。
紹介した調査結果は一例ですが、調査結果を見ると、各企業のハラスメント対策として、
やはり研修などが重視されており、相談体制の整備等において社外の専門家を活用するケースも多いようです。
この調査結果の詳細も含め、ご質問等があれば、気軽にお声掛けください。