【判例】 和歌山ひまわり会事件(長時間労働による過労死)

● 判 例

和歌山ひまわり会事件(長時間労働による過労死)  和歌山地裁 平成27年8月10日

 

● 概 要

・会社は介護老人福祉施設等を経営していた。

・従業員は勤続約8年で総務、経理の業務に従事しており、同僚の退職等により休日出勤をしなければならない状態で働いていた。

・従業員は職場において、くも膜下出血を発症し病院に搬送されたが後日死亡した。

・遺族は、従業員が死亡したのは、長時間労働等の過重な業務に従事させたことが原因として約8千万円の損害賠償を求めて提訴した。

・会社は、従業員が健康診断で経過観察の診断が出ていたのに応じなかった事、看護婦から病院で精密検査を受けるように注意されていたにも関わらず応じなかった事、喫煙や飲酒の習慣があった事を主張し対抗した。

・裁判所は、会社と上司に連帯して約7000万円の支払いを命じた 。

 

● 解 説

長時間労働と言えば未払い残業の問題と考えられていましたが、最近では健康管理の問題(安全配慮義務違反)という見られ方に変わりました。

この流れから労働基準監督署の調査でも、健康診断の実施状況や産業医への意見聴取を行っているか等がしっかり確認されます。

 

さて、今回の裁判は、従業員の死亡が労災として認定された後に行われています。

くも膜下出血のような「脳・心臓疾患」については、怪我と異なり労災に該当するか否かの判断が難しいため、労災に認定すべきかの基準が設けられています。

基準には、精神的負荷や作業環境の変化等の視点もありますが、分かりやすい基準として労働時間がありますから把握しておく必要があります。

○ 発症の1ヵ月前に時間外労働が100時間以上

○ または2~6ヵ月にわたり時間外労働が80時間以上

 

さて、労災に認定されると、当然労災保険からの給付はあるのですが、この中に慰謝料は含まれていませんから、別途請求を受ける可能があります。

今回の判例もこのパターンです。

労災認定(仕事が原因)という行政のお墨付きが出てからの裁判ですから、会社はマイナスからスタートすることになり、極めて厳しい戦いになります。

 

よって、労災に認定されるような働き方をさせないことが、従業員のみならず会社自体も守ることにつながります。

慢性的に時間外が80時間/月を超えている従業員がいる場合は、対策を打ちましょう。

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