政府は、平成30年4月6日、今国会(第196回通常国会)の最重要法案と位置づけている「働き方改革関連法案(正式名称:働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案)」を閣議決定しました。これでようやく、同法案が国会に提出されました。
法案作成の詰めの段階で、裁量労働制の適用の拡大の削除、施行を目指す期日の見直しなどが行われています。概要を確認しておきましょう。
―――――― 働き方改革関連法案(第196回通常国会に提出)の概要 ―――――――
働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律案の概要(厚生労働省資料)
施行期日 Ⅰ:公布日
Ⅱ:平成31年4月1日(中小企業における時間外労働の上限規制に係る改正規定の適用は平成32年4月1日、
1の中小企業における割増賃金率の見直しは平成35年4月1日)
Ⅲ:平成32年4月1日(中小企業におけるパートタイム労働法・労働契約法の改正規定の適用は平成33年4月1日)
- この改正の目玉は、何といっても「時間外労働の上限規制(Ⅱの1の一部)」でしょう。
時間外労働の上限規制は、各企業にとって負担が大きいものです。そのため、一部の業種については適用を猶予し、また、中小企業については施行期日が1年遅れとなっています。しかし、一般的な業種の大企業では、来年4月から対応を迫られることになります(もちろん、法案が予定どおりに成立した場合です)。
- 「同一労働同一賃金の実現に向けた改正(Ⅲ)」についても注目されていますが、これについては、大企業・中小企業ともに、施行期日に余裕が設けられています。
- 他の規定については、企業規模を問わず、来年4月から施行されるものが大半となっています(もちろん、法案が予定どおりに成立した場合です)。
☆ 細かな規定に目を向けると、一定日数の年次有給休暇の確実な取得(使用者は、10日以上の年休が付与される労働者に対し、5日については、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする)など、企業への影響が大きい内容が含まれています。
法案が成立した場合した場合、企業規模を問わず、平成31年4月1日施行される規定が大半となっていますので、国会での審議の動向から目が離せません。