本年8月の末に、「女性活躍推進法(正式名称は、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)」が成立し、本年9月4日の官報に公布されました。
この法律は、職場における女性の活躍を後押しするもので、安倍政権の看板政策の一つです。主要な内容は次のとおりです。
――――― 女性活躍推進法の概要 ――――
●正式名称は「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」です。
公布の日である平成27年9月4日から施行され、平成38年3月31日限り、その効力を失うこととされている約10年間の時限立法です。なお、企業にとって影響のある行動計計画の作成等(以下の内容)については、平成28年4月1日からの施行となります。
●この法律に基づき、国・地方公共団体、従業員数301人以上の大企業は、
① 自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析
② その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組を盛り込んだ行動計画の策定・届出・周知・公表
③ 自社の女性の活躍に関する情報の公表
を行わなければならないこととされます(義務)(※)。
※ 従業員数300人以下の中小企業では努力義務とされます。
●行動計画の届出を行い、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業については、申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができることとされます。
認定を受けた企業は、厚生労働大臣が定める認定マークを商品などに付することができることになっています(認定マークについては、今後、定める予定)。
㊟ 従業員数301人以上の規模の大企業では、平成28年4月1日までに、上記①~③を行う必要があり、対応を迫られることになります。
☆ 政府は「平成32年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%にする」という目標を掲げています。
そのような政策の根本には、「より意欲・能力の高い人材を確保する」という理念があるのでしょうが、最近では、ゆとりある働き方を求める意識も高まっています。少子化も問題ですし、相反する課題を克服していくことは、至難の業といえるかもしれません。結局は、社会全体で、男女の役割分担の意識などを変えていくことが必要ですね。
なお、今後、行動計画に盛り込んだ数値目標を達成した企業などを対象とした助成金が新設される予定です。この助成金については、行動計画の策定等が努力義務とされる中小企業も対象となるとのことです。