就業規則のチェックポイント(綱渡りの業務引き継ぎ)

 

社長:来月で退職だな。今までご苦労様。

部下:お世話になりました。明日から有休休暇を消化させて頂きますので、今日でお別れですね。

社長:えっ 仕事の引き継ぎは?  途中の仕事もいっぱいあったやろ?

部下:さー それは、どうするかよくわかりません。

でも、マニュアルはありますから、なんとかなるんじゃないですか?

社長:連絡はつくんやろ?

部下:明日から一ヶ月の海外旅行に行くので連絡は付きにくいかと思います。

社長:そんな、無責任な…

 

社会保険労務士からの就業規則作成へのアドバイス!

 

1 退職の申し出の期限に余裕を持たせましょう!

一般の就業規則では「退職希望日の30日前までに申し出る」と定められているケースが多いですが、後任の採用とその後の業務引き継ぎを考えると30日で全てを完了することは難しいです。

少なくとも60日前に設定し余裕のある業務引き継ぎにしましょう。

 

2 業務引き継ぎ期間をあらかじめ設定しておきましょう!

退職の申し出から退職日までの間、すべてを有給休暇で申請されると業務引き継ぎができなくなります。

退職日からさかのぼって2週間は実際に勤務しなければならない旨を明記しておきましょう。

 

3 引き継ぎをしなかった場合の退職金減額規定を!

退職金を支給する会社であれば、その支給要件に“後任者への必要な業務引き継ぎの実施”を加えておきましょう。

これにより、業務引き継ぎを実施しない場合には退職金を減額するという会社の姿勢を示すことができます。

 

 

 

退職時によくあるトラブルで、会社から貸与された物品を返却しないというものがあります。

この予防策として、退職時の給与は振込ではなく、会社にて手渡しにより支払うように定めます。

これにより必然的に来社することになるので、その場で物品を返却してもらいましょう!

 

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