令和元年(2019)8月8日に「平成30年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果」が公表

賃金不払残業に関する監督指導 支払われた割増賃金の平均額は1企業当たり711万円

 

 

厚生労働省から、令和元年(2019)8月8日に「平成30年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果」が公表されました。

 

 

今回公表されたのは、全国の労働基準監督署が、賃金不払残業に関する労働者からの申告や各種情報に基づき企業への監督指導を行った結果、平成30年4月から平成31年3月までの期間に不払いだった割増賃金(残業代)が各労働者に支払われたもののうち、その支払額が1企業で合計100万円以上となった事案を取りまとめたものです。

 

 

――――― 平成30年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果のポイント ―――――

 

 

●是正企業数⇒1,768企業(前年度比 102企業の減)

うち、1,000万円以上の割増賃金を支払ったのは、228企業(前年度比 34企業の減)

 

●支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり711万円、労働者1人当たり11万円

厚生労働省は、今回の監督指導の対象となった企業の事例もいくつか紹介しています。

例えば、次のようなケースもありました(小売業の事例)。

 

賃金不払い残業の状況

 

 

☆上記のように、労働者の家族からの相談ダイヤルで監督指導が行われるケースもあります。日頃から、労働時間は適正に把握しておきたいものです。何かご不明な点があれば、気軽にお声かけください。

 

 

 

 

 

雇用保険の雇用継続給付に係る支給限度額等の変更

 

 

令和元年8月から、雇用保険の高年齢雇用継続給付の支給限度額等が変更されています。これを機に、高年齢雇用継続給付の支給額の計算の仕組みを再確認しておきましょう。

 

―――――――――― 高年齢雇用継続給付の支給限度額等の変更 ―――――――――

 

【前提】高年齢雇用継続給付とは

雇用保険の被保険者であった期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の被保険者が、賃金が低下(60歳時点の賃金の75%未満に低下)した状態で働き続ける場合に支給されます。

同一事業所で働き続ける場合に支給される「高年齢雇用継続基本給付金」と、基本手当の受給後に再就職した場合に支給される「高年齢再就職給付金」の2種類に分かれます。

 

 

<高年齢雇用継続給付の支給限度額>

令和元年7月31日まで:360,169円 ➡ 令和元年8月1日から:363,359円

〈補足〉その他、下記の   の金額も変更

 

確 認 高年齢雇用継続給付の支給額

一の支給対象月(一暦月)について、賃金の低下の割合に応じて、次のように計算した額が支給されます。

 

  • 支給対象月の賃金が「60歳到達時等の賃金の月額」に比べ61%未満に低下

……支給対象月の賃金×15%

 

  • 支給対象月の賃金が「60歳到達時等の賃金の月額」に比べ61%以上75%未満に低下

……支給対象月の賃金×15%から逓減するように厚生労働省令で定める率

 

注① 支給対象月の賃金が、支給限度額(363,359円)以上であるときは、その支給対象月には支給されない。また、上記のように計算した額に支給対象月の賃金を加えた額が、支給限度額を超えるときは、「支給限度額-支給対象月の賃金」が支給される。

 

注② 支給額として計算した額が、2,000円を超えないときは、その支給対象月には支給されない。

 

注③ 60歳到達時等の賃金の月額は、476,700円を上限とし、75,000円を下限とする。

 

 

☆ 高年齢雇用継続給付の支給額の仕組みは複雑です。しかし、その仕組みを把握していれば、労働者の総収入(給付の額+賃金)が減らないようにして、賃金やこれに付随する社会保険料の支出を軽減することも可能となります。詳細については、気軽にお尋ねください。なお、同月から、雇用保険の育児休業給付・介護休業給付の上限額も変更されていますので、その内容についても、気軽にお尋ねください。

 

 

 

 

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