長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導 約7割で法令違反(平成30年度)
厚生労働省は、平成30年度(2018年度)に長時間労働が疑われる29,097事業場に対して実施した労働基準監督署による監督指導の結果を取りまとめ、公表しました。
監督実施事業場のうち20,244事業場(69.6%)で、労働基準法などの法令違反が認められました。主な違反内容は、次のとおりです。
① 違法な時間外労働があったもの:11,766事業場(全体の40.4%)
② 賃金不払残業があったもの:1,874事業場(全体の6.4%)
③ 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:3,510事業場(全体の12.1%)など
なお、この公表に当たって、監督指導事例も紹介されています。
事例のなかには、次のようなものがありました。
事例(その他の事業) | 各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる事業場に対し、立入調査を実施。 | ||
立入調査において把握した事実と労働基準監督署の対応 | |||
1 労働者8名について、36協定で定めた上限時間(特別条項:月100時間)を超える違法な時間外・休日労働(最長:月170時間)を行わせていたことが判明した。また、一部の労働者においてほぼ毎月100時間を超える時間外労働が認められ、36協定の特別条項で定めた限度時間を超えることのできる回数(年6回)を上回る時間外労働を行わせていたことが判明した。
2 健康診断において異常の所見があった者の健康保持のために必要な措置について、医師の意見を聴いていなかったことが判明した。
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☆ 労働基準法や労働安全衛生法等の労働基準関係法令は、必ず遵守する必要がありますね。特に11月は過労死等防止啓発月間で過重労働解消キャンペーンが実施されます。遵守すべきルールには、どのようなものがあるかなど、ご不明な点がございましたら、気軽にお声掛けください。