最近、社会保障制度をはじめとして、労働基準関係法制、労働安全衛生対策、ハラスメント対策などについて、今後の改革(制度変更)の方向性が立て続けに示されています。
以下で、主に企業実務に影響がありそうなものを紹介します。
― 社会保障制度・労働基準関係法制などの制度変更の方向性(令和6年12月初旬の状況)―
<社会保障制度関係>
□ 短時間労働者への被用者保険の適用について、企業規模要件(従業員51人以上)および賃金要件(いわゆる106万円の壁)を撤廃する加えて、被保険者となる方の手取りが減らないよう、保険料の事業主負担割合を企業の判断で引き上げられる仕組みの導入も検討 □ 被用者保険の適用について、常時5人以上を使用する個人事業所の非適用業種の解消を図る □ 在職老齢年金を見直す(廃止or基準額の引き上げ) □ 厚生年金保険の標準報酬月額の上限(現行65万円)を引き上げる □ 高額療養費の自己負担限度額を見直す(引き上げand所得区分の細分化)
<労働基準関係> □ 定期的な休日の確保のため、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法上に設ける
<労働安全衛生関係> □ ストレスチェックの実施義務対象を50人未満の全ての事業場に拡大する
<女性活躍推進・ハラスメント関係> □ 女性管理職比率の情報公表を義務とする(義務の対象は、101人以上の企業) □ カスタマーハラスメント対策を、事業主の雇用管理上の措置義務とする
<今後の規制・制度改革の検討課題> □ 賃金向上、人手不足対応のため、次のような事項を検討する ・「年収の壁」支援強化パッケージの手続き円滑化 ・副業・兼業の円滑化(過度な競業避止義務の抑制) |
☆ 令和7年にはさらに議論が本格化し、制度変更の内容が具体化されていくと思われます。