令和6年6月5日、医療保険者が被保険者等から徴収する保険料に子ども・子育て支援金を含めることなどを盛り込んだ
「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律」が成立しました。
施行期日は、公布日から数段階に分けて設定されています。
ここでは、まず、改正の趣旨と企業実務に影響を及ぼす改正事項を紹介します。
― 令和6年改正子ども・子育て支援法等の趣旨と企業実務に影響を及ぼす改正事項 ―
趣旨 この改正法は、こども未来戦略の「加速化プラン」に盛り込まれた施策を着実に実行するため、 ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化、全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充、 共働き・共育ての推進に資する施策の実施に必要な措置を講じるとともに、 こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるための子ども・子育て支援特別会計を創設し、 児童手当等に充てるための子ども・子育て支援金制度を創設するものです。
企業実務に影響を及ぼすもの たとえば、次のようなものがあります。 □ 両親ともに育児休業を取得した場合に支給する出生後休業支援給付及び育児期に 時短勤務を行った場合に支給する育児時短就業給付を創設する。 【雇用保険法等の改正:令和7年4月1日施行】
□ 医療保険者が被保険者等から徴収する保険料に子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用 (子ども・子育て支援金)を含めることとし 、医療保険制度の取扱いを踏まえた被保険者等への賦課・徴収の方法等を定める。 【医療保険各法等の改正:令和8年4月1日施行】
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☆ この改正のメインは、児童手当の拡充(①支給期間を中学生までから高校生年代までとする、②支給要件のうち所得制限を撤廃する、③第3子以降の児童に係る支給額を月額3万円とする、④支払月を年3回から隔月(偶数月)の年6回とする)ですが、その財源が最大の問題点でした。
そこで、決定されたのが、「医療保険料に子ども・子育て支援納付金の納付に要する費用(子ども・子育て支援金)を含める」
という制度の創設でした。施行日までに2年弱、その支援金の額がどの程度になるのか、今後の動向に注目です。
「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表 カスハラが増加
厚生労働省から、「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書が公表されました。
この調査のポイントを確認しておきましょう。
―――――― 「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書のポイント ――――――
〔はじめに〕 この調査は、令和2年度に実施された職場のハラスメントに関する実態調査から3年が経過し、 ハラスメントの対策に取り組む企業やハラスメントを受けている労働者の状況も変化していると 考えられることから、全国の企業と労働者等を対象に、令和5年12月~令和6年1月に実施されたものです。
●企業におけるハラスメントの発生状況のポイント □ 過去3年間各ハラスメント(パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為、就活等セクハラ)の相談件数については、セクハラ以外では「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」が最も高かった(「件数の増減は分からない」を除く)。 また、顧客等からの著しい迷惑行為のみ「件数が増加している」の割合の方が「件数は減少している」より高かった。
●企業におけるハラスメントに対する取組状況のポイント □ パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為、就活等セクハラに対して予防・解決のために実施している取組として、「相談窓口の設置と周知」の割合が最も高く、約7割以上の企業が実施している。 次いで「ハラスメントの内容、職場におけるハラスメントをなくす旨の方針の明確化と周知・啓発」の割合が高く、約6割以上の企業が実施している。
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