育児・介護休業法が改正されました 令和7年4月1日から主要な規定が施行

 

 

令和6年5月24日、「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律」が成立し、令和6年法律第42号として、同月31日の官報に公布されました。

施行期日は、基本的には、令和7年4月1日ですが、

公布日から、数段階に分けて施行されます。まずは全体像を確認しておきましょう。

 

― 令和6年改正育児・介護休業法等(令和6年法律第42号)の全体像(主要なもの) ―

 

●令和7年4月1日から施行されるもの

 

<育児関係>

□ 所定外労働の制限(残業免除)の対象となる労働者の範囲を、

小学校就学前の子(現行は3歳になるまでの子)を養育する労働者に拡大する。

□ 子の看護休暇を子の行事参加等の場合も取得可能とし、

対象となる子の範囲を小学校3年生(現行は小学校就学前)まで拡大するとともに、

勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止する。

□ 3歳になるまでの子を養育する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、

テレワークを追加する。

□ 育児休業の取得状況の公表義務の対象を、

常時雇用する労働者数が300人超え(現行1,000人超え)の事業主に拡大する。

 

<介護関係>

□ 労働者が家族の介護に直面した旨を申し出た時に、

両立支援制度等について個別の周知・意向確認を行うことを事業主に義務付ける。

□ 労働者等への両立支援制度等に関する早期の情報提供や、

雇用環境の整備(労働者への研修等)を事業主に義務付ける。

□ 介護休暇について、勤続6月未満の労働者を労使協定に基づき除外する仕組みを廃止する。

□ 家族を介護する労働者に関し事業主が講ずる措置(努力義務)の内容に、テレワークを追加する。

 

●公布の日から起算して1年6か月以内において政令で定める日から施行されるもの

 

<育児関係>

□ 3歳以上の小学校就学前の子を養育する労働者に関し、事業主が職場のニーズを把握した上で、

柔軟な働き方を実現するための措置を講じ、労働者が選択して利用できるようにすることを義務付ける。

また、当該措置の個別の周知・意向確認を義務付ける。

□ 妊娠・出産の申出時や子が3歳になる前に、

労働者の仕事と育児の両立に関する個別の意向の聴取・配慮を事業主に義務付ける。

 

 

 

☆ これらの改正事項が施行されるまでに、就業規則(育児・介護休業規程)の改訂や、

新たに義務化される規定への対応が必要になります。

 

 

雇用保険法が改正されました 令和10年10月から週10時間で適用へ

 

令和6年5月10日、雇用保険の適用拡大などを盛り込んだ「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立し、

令和6年法律第26号として、同月17日の官報に公布されました。

施行期日は、基本的には、令和7年4月1日ですが、

公布日から、数段階に分けて施行されます。まずは全体像を確認しておきましょう。

 

― 令和6年改正雇用保険法等(令和6年法律第26号)の全体像(主要なもの) ―

 

1.雇用保険の適用拡大

○ 雇用保険の被保険者の要件のうち、週所定労働時間を「20時間以上」から「10時間以上」に変更し、適用対象を拡大する。

【令和10年10月1日施行】

 

2.教育訓練やリ・スキリング支援の充実

① 自己都合で退職した者が、雇用の安定・就職の促進に必要な職業に関する教育訓練等を自ら受けた場合には、給付制限をせず、雇用保険の基本手当を受給できるようにする(※1)。

※1 自己都合で退職した者については、給付制限期間を原則2か月としているが、1か月に短縮する(通達)。

② 教育訓練給付金について、訓練効果を高めるためのインセンティブ強化のため、雇用保険から支給される給付率を受講費用の最大70%から80%に引き上げる(※2)。

※2 教育訓練受講による賃金増加や資格取得等を要件とした追加給付(10%)を新たに創設する(省令)。

③ 自発的な能力開発のため、被保険者が在職中に教育訓練のための休暇を取得した場合に、その期間中の生活を支えるため、基本手当に相当する新たな給付金〔教育訓練休暇給付金〕を創設する。

【①=令和7年4月1日、②=令和6年10月1日、③=令和7年10月1日施行】

 

3.その他の雇用保険制度の見直し

① 教育訓練支援給付金の給付率の引き下げ(基本手当の80%→60%)を実施する。

② 就業促進手当の所要の見直し等を実施する。

【①②=令和7年4月1日施行】

 

 

 

☆ 注目は、なんといっても、雇用保険の適用拡大(週所定労働時間10時間以上で雇用保険に加入)です。

これについては、施行までに準備期間がありますが、早めに対応を考えておく必要があるでしょう。

また、教育訓練やリ・スキリング支援はかなり強化されますので、そのポイントはおさえておきたいところです。

 

 

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