賃金台帳などの記録の保存期間の延長(令和2年4月1日~)

 

令和2年4月1日施行の労働基準法の改正により、賃金請求権の消滅時効期間が延長されましたが、これにあわせて「賃金台帳などの記録の保存期間の延長」も行われています。

 

 

 

―――――――――― 賃金台帳などの記録の保存期間の延長 ――――――――――

 

 

 

事業主が保存すべき賃金台帳などの記録の保存期間について、5年に延長しつつ、当分の間は、これまでと同様にその期間は「3年」とされます。

 

 

  • 保存期間延長の対象となるもの
①労働者名簿

②賃金台帳

③雇入れに関する書類・・・雇入決定関係書類、契約書、労働条件通知書、 履歴書など

④解雇に関する書類・・・解雇決定関係書類、 予告手当または退職手当の領収書など

⑤災害補償に関する書類・・・診断書、補償の支払、領収関係書類など

⑥賃金に関する書類・・・賃金決定関係書類、昇給減給関係書類など

⑦その他の労働関係に関する重要な書類・・・出勤簿、タイムカードなどの記録、労使協定の協定書、各種許認可書、 始業・終業時刻など労働時間の記録に関する書類、退職関係書類など

⑧労働基準法施行規則・労働時間等設定改善法施行規則で保存期間が定められている記録

(下記の「起算日の明確化」を行う記録は、賃金の支払いに係るものに限ります。)

 

 

㊟起算日の明確化

上記の②⑥⑦⑧の記録に関する賃金の支払期日が、記録の完結の日などより遅い場合には、「当該支払期日」が記録の保存期間の起算日となることが明確化されました。

(下の図は、タイムカードについての例)

図①

 

 

 

 

☆実質的には、当分の間は、「3年間」という保存期間に変更はありませんが、起算日の明確化には注意したいところです。

 

 

 

 

 

 

「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果 令和元年度は約75%で法令違反

 

 

厚生労働省から「令和元年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果」が公表されました。

 

今回公表されたのは、令和元年11月に、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して実施された重点監督の結果です。

 

そのポイントを確認しておきましょう。

 

 

 

 

―― 「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果のポイント〔令和元年度〕――

 

 

 

 

●重点監督を実施事業場は8,904事業場

 

うち、6,707事業場(全体の75.3%)で労働基準関係法令違反が認められた

 

①主な違反内容[是正勧告書を交付した事業場の内訳]

・違法な時間外労働があったもの➡3,602事業場(全体の40.5%)

・賃金不払残業があったもの➡654事業場(全体の7.3%)

・過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの➡1,832事業場(全体の20.6%)

 

②主な健康障害防止に係る指導の状況[健康障害防止のため指導票を交付した事業場の内訳]

・健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの➡3,443事業場(全体の38.7%)

・労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの➡1,553事業場(全体の17.4%)

 

 

 

 

☆ なお、結果の公表に当たっては、代表的な監督指導事例が紹介されていますが、「各種情報から時間外・休日労働が1か月当たり80時間を超えていると考えられる大企業の事業場に対し、立入調査を実施した」といった事例のように、月80時間を超える時間外・休日労働が行われている場合には、監督指導の対象となる可能性が高いといえそうです。

 

そのような働き方をしている社員がいれば、早急に改善する必要があるでしょう。

 

長時間労働の削減の手法などについても、気軽にお問い合わせください。

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