厚生労働省から、「平成29年度雇用均等基本調査(確報)」が公表されました(平成30年7月30日公表)
この調査では、全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性割合や、育児休業制度や介護休業制度の利用状況などのほか、セクシュアルハラスメントおよび妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止対策についても調査が実施されています。
以下では、セクシュアルハラスメントなどの防止対策をピックアップしてみます。
― 平成29年度雇用均等基本調査/セクシュアルハラスメントなどの防止対策について ―
- セクシュアルハラスメントを防止するための対策の取組の有無
・防止対策に「取り組んでいる」企業割合は65.4%〔前年度58.2%〕
・これを規模別にみると、企業規模が大きいほど割合が高く、5,000人以上では100.0%、1,000~4,999人では99.5%、300~999人では97.4%、100~299人では95.2%、30~99人では74.6%、10~29人では56.8%となっている。
<セクシュアルハラスメントを防止するための対策の取組内容は?(複数回答)>
・1位:「就業規則、労働協約等の書面でセクシュアルハラスメントについての方針を明確化し、周知した」(65.1%)
・2位:「相談・苦情対応窓口を設置した」(39.4%)
・3位:「セクシュアルハラスメントについての方針を定めたマニュアル、ポスター、パンフレット等を作成したり、ミーティング時などを利用して説明したりするなどして周知した」(20.3%) など
- 妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを防止するための対策の取組の有無
・防止対策に「取り組んでいる」企業割合は56.8%〔前年度52.8%〕
・これを規模別にみると、企業規模が大きいほど割合が高く、5,000人以上及び1,000~4,999人では96.6%、300~999人では92.4%、100~299人では84.7%、30~99人では63.5%、10~29人では49.3%となっている。
<妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントを防止するための対策の取組内容は?(複数回答)>
・1位:「就業規則、労働協約等の書面で妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについての方針を明確化し、周知した」(63.7%)
・2位:「業務体制の整備など、事業主や妊娠した労働者その他労働者の実情に応じ、必要な措置を行った」(35.7%)
・3位:「相談・苦情対応窓口を設置した」(33.6%) など
〈補足〉上記の調査対象は、常用労働者10人以上の企業(有効回答数3,627企業)
☆セクシュアルハラスメントおよび妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの防止対策の取組はお済でしょうか?
取組内容も含めて、ご質問があれば、気軽にお尋ねください。
統計でも各企業が最も取り組んでいるという結果になっている「就業規則、労働協約等の書面でのハラスメントについての方針の明確化・周知」、「相談・苦情対応窓口の設置」は、確実に講じておきたいところです。その他、管理職を対象とした研修なども有効です。