厚生労働省では、「長時間労働削減推進本部」を立ち上げ、働き方の見直しに向けて、企業が取り組む好事例の収集や紹介、企業トップへの働きかけを全国で進めていますが、こうした中、安倍内閣総理大臣から、明るい時間が長い夏の間は、朝早くから働き始め、夕方には家族などと過ごせるよう、夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動を展開するとの指示がなされました。
これを受けて、塩崎厚生労働大臣は、4月20日に、日本経済団体連合会(経団連)会長に対して、夏の期間における朝型勤務やフレックスタイム制を活用するなど、企業の実情に応じた取組を行うよう要請を行いました。
また、4月27日には、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会にも、同様の要請を行いました。
◆「夏の生活スタイル変革」に関する要請書(経団連宛ての原文)◆
「夏の生活スタイル変革」に関する要請書
近年、労働力人口が減少していく中で、女性や高齢者が働きやすく、また、意欲と能力のある者が活躍しやすい職場環境を作ることで、労働生産性を上げて成長を持続させることが重要な課題となっております。 しかしながら、我が国においては、長時間労働により国民が豊かさを実感できていない現状にあります。こうした現状を打破するために、長時間労働の削減など働き方の見直しが求められています。 こうした中、3月27日に安倍内閣総理大臣から、まずは、明るい時間が長い夏の間は、朝早くから働き始め、夕方には家族などと過ごせるよう、夏の生活スタイルを変革する新たな国民運動を展開するとの指示がなされました。 具体的には、夏の時期に、「朝型勤務」や「フレックスタイム制」を推進し、夕方早くに職場を出るという生活スタイルに変えていくよう、国民運動として国全体に浸透させるものです。 国家公務員については、率先して朝型勤務を推進するとともに、早期退庁目標を設定するなど、働き方を含めた生活スタイルの変革を図ることとしています。 つきましては、各企業においても、夏の期間において、働く人が朝早く出勤し、夕方には家族などと過ごせるよう生活スタイルを変革するために、「朝型勤務」や「フレックスタイム制」を活用するなど、それぞれの企業の実情に応じた労使の自主的な取組を可能な範囲で行うことが望まれます。 貴団体におかれましても、この取組の趣旨を御理解いただき、傘下団体・企業等に対します周知啓発に向けた御協力の程、何とぞよろしくお願い申し上げます。 厚 生 労 働 大 臣 塩 崎 恭 久 経 済 産 業 大 臣 宮 沢 洋 一 |
☆ 夏の暑い盛りを思い浮かべると、要望書に書かれている朝型勤務等は、労働生産性の向上につながるか
もしれませんね(ある程度の節電効果も期待できます)。
さまざまな導入手法が考えられますが、午後8時以降の残業を原則禁止し、早朝(午前5~8時)業務
の割増賃金率を引き上げる制度を導入するといった手法を採った企業もあります。
取引先との兼ね合いなど、朝型勤務等の実施に踏み切れない要因もあると思いますが、恒常的に
時間外労働が行われているのであれば、まずは、時間外労働の時間帯を早朝にシフトすることを
促してみるなど、朝型勤務等の実施を検討してみる価値はあるのではないでしょうか。