【判例】東芝柳町工場事件(有期労働契約の反復と雇止め)

● 概 要

・従業員7名は、電気機器の臨時工として2箇月の雇用契約を結び、5回~23回更新してきた。

・契約期間が満了しても真面目に働いていれば解雇されるようなことはないと言われていた。

・会社が勤務成績、リストラ、不良行為などを理由に7名の雇止め(契約更新の拒否)を行った。

・従業員は雇止めは無効として雇用契約上の地位の確認を求めて提起した。

・判決で従業員側の主張が認められ雇用契約の更新が認められた。

 

 

● 解 説

裁判所の見解では、期間は一応2箇月と定められているが、いずれかから格別の意思表示がなければ当然更新されるべき契約であったし、実際にも更新を続けた状況を踏まえると実態的に期間の定めのない契約(いわゆる正社員として契約)をしていたと考えられる。

よって、契約期間満了による雇止めではなく、解雇の問題である。

その上で、今回のケースは解雇権の濫用と判断できるとして解雇無効(雇止不可)となりました。

 

なお、この判例は、平成24年8月10日から労働契約法に法定化されました。

 

①有期労働契約の反復更新により無期労働契約と実質的に異ならない状態で存在している場合

②有期労働契約の期間満了後の雇用継続につき、合理的期待が認められる場合

以上のケースに該当する場合の雇止めは、『客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときは、有期労働契約が更新(締結)されたとみなす。』ことになり、安易に認められなくなります。

 

さらに、平成25年4月1日から、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の申込みにより、無期労働契約に転換しなければならないというルールが始まりました。

繁閑の調整弁として有期労働契約のパート、アルバイト等を長期にわたり雇用することが許されない環境になってきました。

また、一般的な就業規則のパート、アルバイトの定義は“有期労働契約の者”とされていることが多いので、無期労働契約になった際に正社員と同様の処遇を約束することになります。

転換の開始前に就業規則の点検をおすすめします!

 

 

 


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