令和4年10月3日、第210回臨時国会が召集され、岸田総理は、衆参両院本会議で所信表明演説を行いました。
演説では「日本経済の再生」を最優先の課題とし、新しい資本主義の旗印の下で、
「物価高・円安への対応」「構造的な賃上げ」「成長のための投資と改革」の三つを
重点分野として取り組んでいくと述べました。
企業経営にも関わりが深そうな「構造的な賃上げ」について、ポイントをみておきましょう。
― 第210回臨時国会における所信表明演説のポイント/「構造的な賃上げ」について ―
「構造的な賃上げ」については、賃上げと、労働移動の円滑化、人への投資という
三つの課題の一体的改革を進めることとし、次のような方向性を示す。
☆ 「労働移動円滑化に向けた指針(来年6月までに取りまとめ)」や
「人への投資策(5年間で1兆円のパッケージに拡充)」が注目を集めています。
具体的な内容がどのようなものになるのか? 動向に注目です。
短時間労働者に対する社会保険の更なる適用拡大 少し深堀りしてみます❺
令和4年10月から、新たに「特定適用事業所」となった事業所では、
これまで健康保険・厚生年金保険の被保険者でなかった短時間労働者のうち、
次の要件に該当する者も、健康保険・厚生年金保険の被保険者として取り扱う必要があります。
・1週間の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金8万8,000円以上(年収106万円以上)
・学生でない
(勤務期間の要件は、通常の労働者と同様の要件を適用)
今回は、「勤務期間の要件」を取り上げます。
☆ 特に短時間労働者については、勤務期間(使用期間)の要件が大きく変わります。
たとえ有期雇用であっても、
できる限り健康保険・厚生年金保険を適用しようとする見直しが行われましたので、注意しましょう。
今回の適用拡大などに関して、不明な点等があれば、気軽にお声掛けください。