厚生労働省から、令和5年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」が公表されました。
「個別労働紛争解決制度」は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルの未然防止や早期解決を支援するもので、「総合労働相談」、労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。
―――――― 令和5年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」のポイント ――――――
●総合労働相談件数は、121万412件で、4年連続で120万件を超え、高止まり。
●民事上の個別労働関係紛争における相談、あっせんの申請では「いじめ・嫌がらせ」の件数が引き続き最多(下記は、各項目の「いじめ・嫌がらせ」の件数)
〇民事上の個別労働関係紛争の相談件数では、60,125件(前年度比14.0%減)〔12年連続最多〕
〇あっせんの申請では、800件(同7.6%減)〔10年連続最多〕
〈補足〉助言・指導の申出では、「いじめ・嫌がらせ」は960件で2番目に多い。
【図:民事上の個別労働紛争|主な相談内容別の件数推移(10年間)】
※令和4年4月の改正労働施策総合推進法の全面施行に伴い、(これまで「いじめ・嫌がらせ」に含まれていた)同法上のパワーハラスメントに関する相談は全て(同法に基づく対応となり)別途集計することとなったため、令和3年度以前と令和4年度以降では集計対象に大きな差異がある。
☆個別労働関係紛争について、別にパワーハラスメントに関する相談と集計されるものを除いたとしても、「いじめ・嫌がらせ」の件数が多いことは知っておきたいところです。
このような状況をみると、各企業において、各種ハラスメントの防止対策などに万全を期す必要があるといえます。