「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果 令和2年度は約72%で法令違反

 

 

 

厚生労働省から「令和2年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果」が公表されました。

 

今回公表されたのは、令和2年11月に、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して実施された重点監督の結果です。

 

そのポイントを確認しておきましょう。

 

 

 

 

―― 「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果のポイント〔令和2年度〕――

 

 

 

●重点監督を実施した事業場は9,120事業場

うち、6,553事業場(全体の71.9%)〔前回は全体の75.3%〕で労働基準関係法令違反が認められた

 

①主な違反内容[是正勧告書を交付した事業場の内訳]

 

・違法な時間外労働があったもの➡2,807事業場(全体の30.8%)

・賃金不払残業があったもの➡478事業場(全体の5.2%)

・過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの➡1,829事業場(全体の20.1%)

 

②主な健康障害防止に係る指導の状況[健康障害防止のため指導票を交付した事業場の内訳]

・健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの➡3,046事業場(全体の33.4%)

・労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの➡1,528事業場(全体の16.8%)

 

 

☆ なお、結果の公表に当たっては、代表的な監督指導事例が紹介されていますが、「各種情報から時間外・休日労働が1か月当たり80時間を超えていると考えられる大企業の事業場に対し、立入調査を実施した」といった事例のように、月80時間を超える時間外・休日労働が行われている場合には、監督指導の対象となる可能性が高いといえます。

 

そのような働き方をしている社員がいれば、早急に改善する必要があるでしょう。

 

長時間労働の削減の手法などについても、気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

いわゆる共働きの場合等の健康保険の扶養の基準を明確化(厚生労働省が通達)

 

 

 

夫婦共同扶養の場合(いわゆる共働きの場合等)における被扶養者の認定について、これまでの通達が廃止され、新たな取扱基準を定めた通達が発出されました(適用は、令和3年8月1日から)。

 

 

 

 

――新たな取扱基準のポイント/夫婦とも被用者保険の被保険者の場合の取扱い――

 

 

 

 夫婦とも被用者保険の被保険者の場合には、以下の取扱いとする。

 

⑴ 被扶養者とすべき者の員数にかかわらず、被保険者の年間収入(過去の収入、現時点の収入、将来の収入等から今後1年間の収入を見込んだものとする。以下同じ)が多い方の被扶養者とする。

 

⑵ 夫婦双方の年間収入の差額が年間収入の多い方の1割以内である場合は、被扶養者の地位の安定を図るため、届出により、主として生計を維持する者の被扶養者とする。

 

⑶~⑹ 略

 

 

 夫婦の一方が国民健康保険の被保険者の場合には、以下の取扱いとする。

 

⑴ 被用者保険の被保険者については年間収入を、国民健康保険の被保険者については直近の年間所得で見込んだ年間収入を比較し、いずれか多い方を主として生計を維持する者とする。

 

⑵、⑶ 略

 

 

 主として生計を維持する者が健康保険法第43条の2に定める育児休業等を取得した場合、当該休業期間中は、被扶養者の地位安定の観点から特例的に被扶養者を異動しないこととする。

ただし、新たに誕生した子については、改めて上記1又は2の認定手続きを行うこととする。

 

 

 年間収入の逆転に伴い被扶養者認定を削除する場合は、年間収入が多くなった被保険者の方の保険者等が認定することを確認してから削除することとする。

 

 

 略

 

 

前記1から5までの取扱基準は、令和3年8月1日から適用する。

 

 

 

 

☆ 令和3年8月以降は、新しい取扱基準が適用されますので、各企業におかれましても確認しておきたいところです。

 

全文を確認しておきたい場合は、気軽にお声掛けください。

 

 

 

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