第180回通常国会において、「社会保障と税の一体改革」に関連する法案がいくつか成立しました。
税制については、消費税率の段階的な引上げに関する法案が成立し、社会保障制度については、年金制度に関する重要法案が2つ成立しました。以下で、その概要を紹介します。
税制改革(消費税関係)
消費税の税率を段階的に引き上げる。
○現在5%(国税部分4% 地方消費税分1%)
●平成26年4月より ⇒ 8%(国税部分6.3% 地方消費税1.7%)
●平成27年10月より ⇒ 10%(国税部分7.8% 地方消費税2.2%)
社会保障制度改革(年金関係)
1.財政基盤及び最低保障機能の強化等<主要項目>
① 受給資格期間が10年あれば年金が受給できるようになる(今は25年以上)
【平成27年10月から施行】
② 平成26年度から基礎年金国庫負担1/2が恒久化される
【平成26年4月から施行】
③ 短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用範囲が拡大される
※ただし、当分の間、500人未満の事業所には適用されません
【平成28年10月から施行】
④ 厚生年金、健康保険等の保険料が産休期間中も免除されるようになる
【平成24年8月22日から起算して2年を超えない範囲内で政令で定める日から施行】
⑤ 遺族基礎年金が父子家庭へも支給されるようになる(現在は母子家庭のみ)
【平成26年4月から施行】
などが決まりました。
※ ①、②、⑤については、税制抜本改革により得られる税収(消費税収)が充てられます。
2.公的年金制度の一元化<主要項目>
① 厚生年金に公務員及び私学教職員も加入することとし、2階部分の年金は厚生年金に統一する。
② 共済年金と厚生年金の制度的な差異は、基本的に厚生年金に揃えて解消する。
③ 共済年金の1・2階部分の保険料を引き上げ、厚生年金の保険料率(上限18.3%)に統一する。
④ 共済年金にある公的年金としての3階部分(職域部分)は廃止する。職域部分廃止後の新たな年金については、別に法律で定める。 【平成27年10月から施行】
などが決まりました。
「2.公的年金制度の一元化」の部分については、あまり実務的な関係はありませんが、参考までにご紹介しました。一般企業にとって重要なのは「1」になります。まだ施行は先のものばかりですが、このような改正が決まったということは、知っておくとよいと思います。
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