【社会保険】雇用保険の高年齢雇用継続給付に係る支給限度額等の変更

平成24年8月1日から、雇用保険の高年齢雇用継続給付に係る支給限度額等が、次のように変更されます。この変更の結果、従業員の方への支給額が変更されることがあります。これを機会に、高年齢雇用継続給付制度を再確認しておきましょう。

 

平成24年7月31日まで 平成24年8月1日から
高年齢雇用継続給付 支給限度額

344,209円

343,396円

支給額の下限

1,864円

1,856円

 

 

高年齢雇用継続給付の概要

60歳以降、継続雇用や再雇用する場合、それまでより賃金を下げる企業がほとんどです。

そこで、60歳時点とくらべて賃金が75%未満に下がったなど、一定の要件を満たした

場合に政府が経済的な援助をしてくれる制度があります。それが「高年齢雇用継続給付」

です。この高年齢雇用継続給付には、次の2種類があります。

 ●高年齢雇用継続基本給付金→失業給付を受給せずに60歳に達した後も引き続き雇用されている雇用保険の被保険者が対象

 ●高年齢再就職給付金→失業給付を受給し、60歳に達した後に再就職した雇用保険の被保険者が対象

<支給要件>

高年齢雇用継続基本給付金

高年齢再就職給付金

① 60歳以上65歳未満の被保険者であること② 被保険者であった期間が通算して5年以上あること
③ 60歳時点にくらべて75%未満の賃金で雇用されていること ③ 基本手当の受給前にくらべて75%未満の賃金で雇用されていること
④ 各月の賃金(支給対象月の賃金)が「支給限度額(平成24年8月以降343,396円)」未満であること
  ⑤ 失業給付の支給残日数が100日以上あること⑥ 再就職手当を受けていないこと

 

<支給額> 支給額は、一の支給対象月(一歴月)について、賃金の低下の割合に応じて次の額です。

賃金の低下の割合

支給額

支給対象月の賃金が、「60歳時点の賃金の月額」に比べ61%未満に低下 支給対象月の賃金×15%
支給対象月の賃金が、「60歳時点の賃金の月額」に比べ61%以上75%未満に低下 支給対象月の賃金×15%から逓減するように厚生労働省令で定める率

 高年齢雇用継続給付の制度を上手に使えば、労働者の総収入(給付の額+賃金)が減らないようにして、賃金や社会保険料の支出を軽減することも可能です。ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせ下さい。

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フォレスト社会保険労務士事務所 社労士 林 英彦

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