【判例】デジタルパワーステーション事件(競業避止義務違反)

● 内 容

デジタルパワーステーション事件(競業避止義務違反) 東京地裁 平成28年12月19日

 

● 概 要

・会社はゲームのパッケージやキャラクターグッズの企画販売を行っており、従業員らは課長、係長の職位で営業に従事していた。

・会社は、従業員らに秘密保持や退職後3年間は競合他社に就職しない旨の誓約書を提出させていた。

・その後、従業員らが退職する際にも、同様の誓約書が会社に提出された。

・しかしながら、従業員はすぐに競合他社に雇用され、しかも前の会社の商品の写真等を無断で使用していた。

・会社は、競合他社との雇用契約の取り消しと損害賠償を求めて提訴した。

・裁判所は、会社の要求を退けた。

 

● 解 説

退職した従業員が自社と競合する会社に就職すると、ノウハウが流出したり、お客様を奪われたりする可能性があるので、会社としては本当に困りますね。

 

そこで、就業規則に退職後に競合他社で勤務することを禁止する条項を入れたり、誓約書を出させたりします。

一方で、憲法では職業選択の自由が保障されていますから、他人の就職先を制限することは許されません。

 

よって、裁判になると会社が定める制約が公序良俗に反しないか次の視点でジャッジされます。

①禁止しなければ、会社に不利益が発生するか?

②禁止の範囲が合理的な範囲にとどまっているか?

③代償措置があるか?

 

今回の判例では①は認めつつも、②については退職後3年間という比較的長期にわたり、かつ地域的な制限もなく制約をかけていること。

また、それに対して報酬で報いる等の③の対応も不十分であったとして、会社の主張は認められませんでした。

 

このような判例をみると誓約書の提出は何だったの?という気持になりますが、誓約書が無ければ、裁判をすることすらできませんので必要だと思います。

あとは、欲張り過ぎずに本当に制限をかけたい範囲で提出してもらうことが、現実的な対応になるでしょう。

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