平成29年10月27日、厚生労働省から、高年齢者を65歳まで雇用するための
「高年齢者雇用確保措置」の実施状況などをまとめた、平成29年「高年齢者の雇用状況」(6月1日現在)の集計結果が公表されました。
法律(高年齢者雇用安定法)では、企業が定年を定める場合、その定年年齢を60歳以上とすることを義務付けています。
加えて、65歳までの安定した雇用を確保するため、企業に「定年制の廃止」、「定年の引上げ」、「継続雇用制度の導入」のいずれかの措置(高年齢者雇用確保措置)を講じることを義務付けています。
この調査は、これらの制度の実態を把握するため、同法の規定に基づいて行われているものです。
――――――――――――― 高年齢者の雇用状況のポイント ――――――――――――
主要な集計結果は次のとおりです(割合は、調査対象企業中の割合)。
・「65歳定年」としている企業⇒15.3%(前年比0.4ポイント増)
・「定年制の廃止」を実施した企業⇒2.6%(同0.1ポイント減)
・「66歳以上定年」としている企業⇒1.8%(同0.7ポイント増)
・「66歳以上希望者全員の継続雇用制度」を導入している企業⇒5.7%(同0.8ポイント増)
・70歳以上まで働ける企業⇒22.6%(同1.4ポイント増)
☆ 高年齢者雇用安定法では、定年は60歳で、65歳までの雇用確保措置を各企業に義務づけていますが、この集計結果から、法定の義務を上回る制度を設けている企業が多いことが分かります。特に、70歳以上まで働ける企業(希望者全員というわけでありませんが、要件に該当する労働者・企業が求める労働者については70歳以上まで働ける企業)が増えていることが目立ちます。
各企業において、人手不足感が強くなっていることが影響していると思われます。
政府も、65歳以上への定年引上げ、希望者全員を66歳以上の年齢まで雇用する継続雇用制度の導入などを行った事業主を対象とした「65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)」を設けるなどして、高年齢者が意欲と能力のある限り年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会の実現を後押ししています。
助成金を活用しつつ、定年延長などを行い、かつ、高齢者の知識や経験を生産性の向上につなげることでできれば理想的ですね。
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