全国展開する靴小売店の運営会社が、東京都内の2店舗で従業員に違法な長時間残業をさせた*として、「東京労働局過重労働撲滅特別対策班(通称「かとく」)」は、労働基準法違反容疑で、同社労務担当取締役と店舗責任者の2人を東京地検に書類送検しました。
「かとく」はブラック企業対策のため、本年4月、東京と大阪の両労働局に設置された特別対策班ですが、書類送検は本件が初めてとなりました。
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*「かとく」によると、法定労働時間や労使協定で定めた上限を超え、従業員計4人に対し、月約97~112時間
の残業をさせた疑い。同社では過去にも長時間の残業が行われ、東京労働局は平成25年に是正を勧告したが、改善がみられなかったとのことです。
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厚生労働省では、上記書類送検の少し前に「長時間労働の削減に向けて」というリーフレット作成し、公表していたところであり、長時間労働の是正が政府の重要政策であることがうかがえます。以下で、そのリーフレットの概要を紹介します。
「長時間労働の削減に向けて」の概要額
「長時間労働の削減に向けて」では、「長時間労働の削減に向けて、あなたの会社の取組内容を、チェックしてみましょう」とした上で、これらの取組をしていない場合のリスクを示しています。
<チェック項目>
□ 36定は限度基準などに適合したものとなっていますか?
□ 労働時間を適正に把握していますか?
□ 年次有給休暇の取得を促進していますか?
□ 産業医や衛生管理者などを選任していますか?
□ 衛生委員会などを設置していますか?
□ 健康診断や健康診断結果に基づく適切な事後措置などを実施していますか?
□ 長時間にわたる時間外・休日労働を行った労働者に対し医師による面接指導などを実施していますか?
<上記の取組をしていない場合のリスク>
◆ 労働基準監督署による書類送検
◆ 労働基準監督署による労災認定
◆ 民事訴訟による多額の賠償金の支払請求
〔下図(リーフレットより抜粋)参照〕
☆チェック項目は、労働基準法、労働安全衛生法などが遵守されているか否かを判断するためのものと
なっています。その詳細につきましては、気軽にお尋ねください。