【法改正】年次有給休暇の取得義務化などが議論されています

厚生労働省は、本年2月6日、労働政策審議会労働条件分科会で「今後の労働時間法制等の在り方について」報告書案を提示しました。この報告に基づき、労働基準法等の改正法案を作成し、平成28年4月からの実施を目指し、国会で審議するとのことです。

 

◆◆ 今後の労働時間法制等の在り方について(報告書案)の主要事項 ◆◆◆

 

1.中小企業の残業代の引き上げ

中小企業における月60時間超の時間外労働に対する法定の割増賃金率を、現在の25%から大企業と同水準の50%に引き上げる(この改正は、他の改正より3年遅れの平成31年4月から実施予定)。

 

2.年休の取得促進

 年5日以上の年休取得が確実に進む仕組みを導入する。

 

3.フレックスタイム制の清算期間の上限の延長

清算期間の上限を現行の1か月から3か月に延長する。ただし、1か月の労働時間が1週間当たり50時間を超えたときは割増賃金の支払い対象とする。

 

4.特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)

① 対象業務

「高度の専門的知識等を要する」とともに、「業務に従事した時間と成果との関連性が強くない」などの性質を満たすもの。具体的には、金融商品の開発やディーリング業務、アナリストの業務、コンサルタントの業務、研究開発業務などの業務を提示。

② 対象労働者

・書面による合意に基づく職務の範囲内で労働する者

・平均給与額の3倍を相当程度上回ること(具体的な年収額は、有期雇用契約期間の例外対象となる、高度な専門的知識等を有する労働者(1,075万円)を参考とする)

③ 健康管理時間に基づく健康・福祉確保措置等

事業場の内外で働いた合計の「健康管理時間」を把握しこれに基づいて措置を講じる。

㋐ 健康管理時間に基づく健康・福祉確保措置として、労使委員会の5分の4以上の決議より、以下a~cのいずれかを講じることを制度導入要件とする。

a 24時間について継続して一定以上の休息時間を与える(勤務間インターバル規制)ものとし、かつ、1か月の深夜業は省令で定める回数以内とする

b 健康管理時間が1か月または3か月につき一定の時間を超えないこととする

c 4週を通じ4日以上かつ1年を通じ104日以上の休日を与える

㋑ 健康管理時間が週40時間を超え、その超えた時間が月当たり100時間を超えた労働者については医師による面接指導を義務付け、これに違反した場合は罰則を適用する。

お問い合わせ
フォレスト社会保険労務士事務所 貴社の人事部として "机上の空論"に留まらない ご支援をさせて頂きます!
〒550-0004 大阪市西区靭本町3-3-3サウザント岡崎橋8F
TEL:0120-793520
Copyright© 2012 フォレスト社会保険労務士事務所 All Rights Reserved.