年末調整手続の簡便化 年調ソフトを無料で提供の方針(2020年10月導入予定)
国税庁から、「税務行政の将来像」に関する最近の取組状況をとりまとめた資料が公表されていますが、その中で、税務手続のデジタル化(個人の皆様向け)の取組の一つとして、「年末調整手続の簡便化」が紹介されています。
――――――――――― 年末調整手続の簡便化の概要 ――――――――――――
- ICTの活用による年末調整手続の簡便化のため、「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア(年調ソフト)」を無料で提供します。 【令和2年(2020年)10月導入予定】
〇作成可能な年末調整関係書類は、
①保険料控除申告書、②住宅借入金等特別控除申告書、
③扶養控除等(異動)申告書、④配偶者控除等申告書。
注)上記申告書のほか、令和2年分以降の年末調整において追加される基礎控除申告書及び所得金額調整控除申告書についても対応予定。
〇従業員は、国税庁ホームページから年調ソフトをダウンロードして利用可能(なお、勤務先がダウンロードした年調ソフトを従業員に配付して利用することも可能)。
→・保険料控除申告書と住宅借入金等特別控除申告書については、従業員が、保険会社等から入手した控除証明書等のデータを年調ソフトに取り込めば、控除申告書の所定の項目に自動入力(簡便・正確に控除申告書データを作成)。
・内容確認後、従業員はそのまま勤務先にオンライン提出可能。
- 国税庁が示しているイメージ
☆ 少し先の話になりますが、年末調整手続の簡便化が進むようです。
令和2年分の年末調整においては、基礎控除・給与所得控除の見直しなどの大幅な改正の施行も決まっています。それも含めて、適時、情報をお伝えします。
女性の管理職(課長級以上)は11.8% 政府目標30%に依然遠く
厚生労働省から、「平成30年度雇用均等基本調査(確報)」が公表されました(令和元年(2019年)7月30日公表)。
平成30年度の調査では、全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性割合や育児休業制度や介護休業制度の利用状況などについて調査が行われました(有効回答3,656社)。
以下では、管理職に占める女性割合をピックアップしてみます。
――――― 平成30年度雇用均等基本調査/管理職に占める女性割合について ―――――
平成30年度(2018年度)においては、
●課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は11.8%(前年度11.5%)。
●また、それぞれの役職に占める女性の割合は、部長相当職では6.7%(同6.6%)、課長相当職では9.3%(同9.3%)、係長相当職では16.7%(15.2%)。
図 役職別女性管理職割合の推移(企業規模10人以上)
*平成23年度の[ ]内の割合は岩手県、宮城県及び福島県を除く全国の結果。
☆ 政府は、「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度に」という目標を掲げています。
この指導的地位とは、法人・団体等においては課長相当職以上とされていますが、今回の調査結果は、この目標とはかけ離れたものとなっていますね。
政府は、女性活躍推進法を改正するなど、職場における女性の活躍の促進に向けた政策を積極的に実施しています。各企業も、そのような政策に理解を深め、さらに独自の取り組みを講じていくことが重要といえそうです。