男性の育児休業取得率は7.48% 過去最高も小幅の上昇
厚生労働省から、「令和元年度雇用均等基本調査(確報)」が公表されました(令和2年7月31日公表)。
令和元年度の調査では、全国の企業と事業所を対象に、管理職に占める女性割合や育児休業制度や介護休業制度の利用状況などについて調査が行われました。
以下では、育児休業取得者の割合をピックアップしてみます。
――――― 令和元年度雇用均等基本調査/育児休業取得者の割合について ―――――
●育児休業取得者の割合〔育児休業取得率〕
・女性 : 83.0% (平成 30 年度 82.2%)
・男性 : 7.48% (平成 30 年度 6.16%)
〈補足〉有効回答があった3,460 事業所(常用労働者5人以上)の調査結果を集計。
図 男性の育児休業取得率の推移
☆ 男性の育児休業取得率について、政府は、少子化社会対策大綱において「2025年に30%」という高い目標を掲げていますが、程遠い結果となっています。
この結果を受けて、加藤厚生労働大臣は、男性の育児休業について、「いかに取りやすい環境を作っていくかは大事な課題。具体的な制度について、しっかりと検討を進めていきたい」と述べたということです。
新たな制度作りが本格化するかもしれませんね。
「書面、押印、対面」を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言
令和2年7月初旬、内閣府、規制改革推進会議及び四経済団体が「「書面、押印、対面」を原則とした制度・慣行・意識の抜本的見直しに向けた共同宣言」を行っています。
そのポイントを紹介します。
―――― 「書面、押印、対面」の抜本的見直しに向けた共同宣言のポイント ――――
□ 全体像
「行政手続の見直し」と「民民間の取引における見直し」とに分けて、内閣府、規制改革推進会議及び四経済団体が一丸となって推進していく取組みが掲げられています。
□ ピックアップ
その中で、民間の商慣行等の見直しについては、次のように示されています。
「書面、押印、対面」が商慣行・社内手続として定着しているものにつき、取引関係手続については取引先等と協調して、あるいは社内手続については各社で経営者のリーダーシップに基づいて、テレワーク推進等の観点から、押印廃止や書面の電子化を推進する。併せて電子署名等のデジタル技術を活用する必要性を確認したうえで、必要な枠組みの構築を推進する。
「郵送・FAX」の電子メール等による代替、「契約書、見積書、請求書、領収書、稟議書、出退勤管理簿等」について文書の性質や具体的状況に応じて不要とみられる押印廃止や電子化及び電子署名等の電子認証の活用、「商談、送金・振込」におけるオンラインシステムの利用拡大・定着を広く推進する。
☆ なお、「行政手続の見直し」については、法令の改正が必要となりますが、各省庁等で検討が進められており、いくつかの改正省令案が実現しそうな状況です。
「骨太方針2020」にも、「書面・押印・対面主義脱却」が盛り込まれており、今後、行政手続・民民間の取引の両面において、その脱却が加速度的に進むかもしれませんね。