8月21日に、「いわゆる社会保障プログラム法案の骨子」が閣議決定されました。
これは、今後の社会保障制度改革の方針や実施時期などの全体像を定めた工程表のようなものです。政府はこのプログラム法案を今秋の臨時国会に提出し、成立させる方針で、個別の改革法案については、平成26年以降、順次国会に提出する予定です。
以下に、その主要な項目を紹介します。
―――――いわゆる社会保障プログラム法案の骨子(主要項目) ――――
介護保険制度 |
※平成27年度をめどに実施。必要な法案は平成26年の通常国会に提出 |
○地域包括ケアシステムの構築に向けた基盤整備
○地域支援事業の見直しと併せた地域の実情に応じた要支援者への支援の見直し
○一定以上の所得を有する者の利用者負担の見直し
○特別養護老人ホームに係る施設介護サービス費の支給対象の見直し
○低所得の第1号被保険者の介護保険料の負担軽減
医療制度
※平成26年~29年度までをめどに順次実施。必要な法案は平成27年の通常国会に提出
○医療保険制度の財政基盤の安定化
・国民健康保険の運営主体を市町村から都道府県に移す
○保険料に係る国民の負担に関する公平の確保
・国民健康保険及び後期高齢者医療制度の低所得者の保険料負担の軽減
・国民健康保険の保険料の賦課限度額及び被用者保険の標準報酬月額の上限額の引上げ
・所得水準の高い国民健康保険組合に対する国庫補助の見直し
○保険給付の対象となる療養の範囲の適正化等
・70 歳から74 歳までの者の一部負担金の取扱い及び高額療養費の見直し(70~74歳の医療費窓口負担を1割から本来の2割に戻す、1か月の窓口負担に上限額を設ける高額療養費制度を拡充)
・医療提供施設相互間の機能の分担や在宅療養との公平の観点からの外来・入院に関する給付の見直し
公的年金制度
※次に掲げる事項について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる(実施時期、法案提出時期とも記述なし)
○マクロ経済スライドに基づく年金給付の額の改定の在り方
○短時間労働者に対する厚生年金保険及び健康保険の適用範囲の拡大
○高齢期における職業生活の多様性、一人一人の状況を踏まえた年金受給の在り方
○高所得者の年金給付の在り方及び公的年金等控除を含めた年金課税の在り方
年金については、具体的な工程は示されませんでしたが、それ以外の改革はじわじわと行われていきそうです。
実際に具体的な改正内容とその施行日が決まりましたら、改めてお伝えしていきます。
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