最近の経済社会情勢の変化および労働災害の動向に即応し、労働者の安全と健康の一層の確保を図るため、労働安全衛生法の一部を改正することとされました。
具体的には、次のような改正を内容とする「労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号)」が、本年6月25日に公布されました。
労働安全衛生法の一部を改正する法律の概要
改正事項 | 施行時期 | |
1. | 化学物質管理のあり方の見直し | 公布の日から起算して2年以内 |
2. | ストレスチェック制度の創設 | 公布の日から起算して1年6か月以内 |
3. | 受動喫煙防止対策の推進 | 公布の日から起算して1年以内 |
4. | 重大な労働災害を繰り返す企業への対応 | 公布の日から起算して1年以内 |
5. | 外国に立地する検査機関等への対応 | 公布の日から起算して1年以内 |
6. | 規制・届出の見直し等 | 公布の日から起算して6か月以内 |
このうち、「ストレスチェック制度の創設」と「受動喫煙防止対策の推進」については、平成23年12月にも、両制度の導入を盛り込んだ改正法案が国会に提出されましたが、一度は廃案とされたという経緯があります。
しかし、労働者の安全と健康の確保のためには欠かせない制度ということで、一部修正の上、今回正式に導入されることになりました。
これらは、一般的な事務所を含むすべての業種について適用される規定であり、要注意です。概要は次のとおりです。
■ストレスチェック制度の概要 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●労働者の心理的な負担の程度を把握するための、医師、保健師等による検査(ストレスチェック)の実施を事業者に義務付ける。
ただし、従業員50人未満の事業場については、当分の間、努力義務とする。
●ストレスチェックを実施した場合には、事業者は、検査結果を通知された労働者の希望に応じて医師による面接指導を実施し、その結果、医師の意見を聴いた上で、必要な場合には、作業の転換、労働時間の短縮その他の適切な就業上の措置を講じなければならないこととする。
■受動喫煙防止対策の概要 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
●受動喫煙防止のため、事業者及び事業場の実情に応じ適切な措置を講ずることを努力義務とする。
ストレスチェック制度については来年の12月ごろ、受動喫煙防止対策については来年の6月ごろまでには施行されます。
まだ期間はありますが、近い将来、会社にこのような義務または努力義務が課されることになることは、知っておいた方がよいでしょう。
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