【労働情報】政府が同一労働同一賃金のガイドライン案を提示

政府は、昨年の暮れに、「同一労働同一賃金の政府のガイドライン案」を公開しました。
※同一労働同一賃金とは……同じ質・量の労働に対しては、労働者の性別、年齢、人種などの区別なしに同じ額の賃金を支払うべきであるとする考え方。我が国では、近年、非正規雇用の増加に伴い議論が再燃。今、問題とされているのは、主に、正規雇用と非正規雇用の格差の是正です。安倍総理も1億総活躍社会の大きなカギと考えており、働き方改革実現会議において議論が重ねられてきました。そのガイドライン案が昨年暮れに取りまとめられました。

 

同一労働同一賃金のガイドライン案の概要

◆ガイドライン案の目的・趣旨〔抜粋〕
○本ガイドライン案は、正規か非正規かという雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定するものである。同一労働同一賃金は、いわゆる正規雇用労働者(無期雇用フルタイム労働者)と非正規雇用労働者(有期雇用労働者、パートタイム労働者、派遣労働者)の間の不合理な待遇差の解消を目指すものである。
○不合理な待遇差の解消に向けては、賃金のみならず、福利厚生、キャリア形成・能力開発などを含めた取組が必要であり、特に、能力開発機会の拡大は、非正規雇用労働者の能力・スキル開発により、生産性の向上と処遇改善につながるため、重要であることに留意すべきである。
○本ガイドライン案は、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間で、待遇差が存在する場合に、いかなる待遇差が不合理なものであり、いかなる待遇差は不合理なものでないのかを示したものである。この際、典型的な事例として整理できるものについては、問題とならない例・問題となる例という形で具体例を付した。なお、具体例として整理されていない事例については、各社の労使で個別具体の事情に応じて議論していくことが望まれる。

◆規定の一例(時間外労働手当、深夜・休日労働手当について)
無期雇用フルタイム労働者の所定労働時間を超えて同一の時間外労働を行った有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、無期雇用フルタイム労働者の所定労働時間を超えた時間につき、同一の割増率等で支給をしなければならない。
無期雇用フルタイム労働者と同一の深夜・休日労働を行った有期雇用労働者又はパートタイム労働者には、同一の割増率等で支給をしなければならない。

 

<問題とならない例>
・A社においては、無期雇用フルタイム労働者であるXと同じ時間、深夜・休日労働を行ったパートタイム労働者であるYに、同一の深夜・休日労働手当を支給している。
<問題となる例>
・B社においては、無期雇用フルタイム労働者であるXと同じ時間、深夜・休日労働を行ったパートタイム労働者であるYに、勤務時間が短いことから、深夜・休日労働手当の単価もフルタイム労働者より低くしている。

 

安倍総理は、新年の経済三団体(経団連、経済同友会、日本商工会議所)の賀詞交換会において、「今年は働き方改革断行の年」とし、昨年末に示した「同一労働同一賃金ガイドライン案」に裁判での強制力を持たせるよう法改正案を国会に提出する、時間外労働の上限規制を実施するため労働基準法の改正案を国会に提出する、といった具体的な目標を掲げ、働き方改革への強い決意の述べたようです。

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