企業が個人番号を取り扱う上では、取得、利用・提供、保管・廃棄、安全管理措置を適切に実施する必要があります。今回は、個人番号の利用・提供、保管・廃棄にスポットを当てます。
企業が個人番号を取り扱う上での注意点/利用・提供、保管・廃棄編
1.利用・提供 : 企業(事業者)は、社会保障・税に関する手続書類に、従業員等の個人番号などを記載して、役所に提出!
- 従業員から取得する際に特定し明示した利用目的以外の目的で、個人番号を利用・提供することはできません。
- つまり、社会保障や税の手続など、法令などで定められた手続に使用する場合を除き、個人番号を利用・提供することはできません。
- たとえば、仮に社員や顧客の同意があっても、社員番号や顧客管理番号としての利用はできないということです(社員名簿に個人番号を記載することを禁止するものではありません)。
疑問:顧客から、身分証明書として個人番号カードを提出されるようなことがあるかもしれませんが、個人番号カードは、身分証明書として利用できるのでしょうか?
回答:法令などで定められた手続以外の事務でも、個人番号カードを身分証明書として、顧客の本人確認を行うことができます。ただし、その場合は、個人番号カードの裏面に記載された個人番号を書き写したり、コピーを取ったりすることはできません。
個人番号カード……個人番号の通知を受けた者が希望すれば、申請により交付される
2. 保管・廃棄 : 個人番号を含む個人情報は、必要がある場合だけ保管が認められます!
- 必要がある場合に限り、保管し続けることができます。
必要がある場合の例……翌年度以降も継続的に雇用契約がある場合、法令によって一定期間保存が義務付けられている場合 など
- 不必要になったら、できるだけ速やかに廃棄・削除しなければなりません。
不必要になった場合の例……個人番号を事務で利用しなくなった場合、保存期間を経過した場合 など
☆ 廃棄や削除まできちんと行わなければなりませんので、それを前提に貴社の事業規模や雇用形態、現在の手続きの処理方法などに応じた書類やデータのファイリングの仕方などを工夫する必要があります。