労働災害防止計画」とは、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画です。
今後、国がどのようなところに重きを置いて、企業を指導していく方針なのかを知ることができ、参考になります。
先日発表された平成25年4月~平成30年3月までの5年間の「第12次労働災害防止計画」をご紹介します。
現状と課題 労働災害による被災者数(平成23年:震災直接原因分除く)
•死亡者数:1,024人(過去最少)
•死傷者数:117,958人(2年連続増加、平成24年も増加)
※ 労働災害は長期的には減少しているが、第三次産業では増加 (特に社会福祉施設は過去10年で2倍以上)
※ 死亡災害も減少しているが、依然、建設業・製造業で過半数を占め、割合が高い
計画の目標 労働災害による死亡者の数を15%以上減少
労働災害による死傷者の数を15%以上減少
「第12次労働災害防止計画」の重点
ポイント① 重点対策ごとに数値目標を設定
労働災害全体の減少目標に加え、重点対策ごとに数値目標を設定し、達成状況を踏まえて対策を展開。
ポイント② 第三次産業を最重点業種に位置づけ
労働災害が増加し、全体に占める割合が高まっている第三次産業に焦点を当て、特に災害の多い「小売業」、「社会福祉施設」、「飲食店」に対する集中的取組を実施。
ポイント③ 死亡災害に対し重点を絞った取組を実施
依然として死亡災害の半数以上を占める建設業、製造業に対して、「墜落・転落災害」、「機械によるはさまれ・巻き込まれ災害」に重点を当てて取り組む。
重点対策には、近年増加している「メンタルヘルス」、「過重労働」に関するものも当然含まれています。
メンタルヘルス対策⇒【目標】対策に取り組んでいる事業場の割合を80%以上
○メンタルヘルス不調を予防するための職場改善手法を検討
○ストレスチェック等の取組を推進
○事例集やモデルプログラムの作成により職場復帰支援を促進
過重労働対策⇒【目標】週労働時間60時間以上の雇用者割合を30%以上減少
○健康診断の実施と事後措置などの健康管理を徹底
○休日・休暇の付与・取得を促進
○時間外労働の限度基準の遵守を図り、時間外労働削減を推進
健康診断の実施と事後措置については、最近、労基署の調査でも重点的にチェックされています。メンタルヘルス対策、過重労働対策について等、ご不安なことがありましたら、お気軽にお声掛けください。
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