【労働法】最新情報 現在国会で審議されている法案の概要をご紹介

現在、第183回国会(本年1月28日に召集。会期は本年6月26日まで)が開かれていますが、厚生労働省からどのような法案が提出され、審議されているのでしょうか? 法改正の動きを事前に知っておくことが、企業経営の安心にもつながります。 ここでは概要をご紹介します。

 

 

第183回国会で審議されている主要な法案(厚生労働省関係)

1 健康保険法等の一部を改正する法律案

① 協会けんぽの財政基盤の強化・安定化のため、平成22年度から平成24年度までの間講じてきた、国庫補助の13%から16.4%への引き上げ措置を2年間延長する等、協会けんぽへの財政支援措置を講ずる。

→この措置により、現行の協会けんぽの保険料率「平均10.0%」が平成26年度まで維持できる見通しです!

② 健康保険の被保険者又は被扶養者の業務上の負傷等について、労災保険の給付対象とならない場合は、原則として、健康保険の給付対象とすることを法律に規定する。 等

→この法案は、予算編成の遅れから、予定した時期に成立させることができませんでしたが、そろそろ成立する見通しです。成立しましたら、改めて詳細をご紹介します。

2 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律案 

① 厚生年金基金について他の企業年金制度への移行を促進しつつ、特例的な解散制度の導入等を行う。

② 国民年金について第三号被保険者に関する記録の不整合期間の保険料の納付を可能とする等の所要の措置を講ずる。

→①については、施行日以後は厚生年金基金の新設を認めないことも盛り込まれています。②はいわゆる「主婦年金(サラリーマンの妻の年金)」の話です。

3 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案

① 雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置(合理的配慮の提供義務)を定める。

→例えば、車いすを利用する方に合わせて、机や作業台の高さを調整すること、知的障害を持つ方に合わせて、口頭だけでなく分かりやすい文書・絵図を用いて説明すること、等が想定されています。

② 障害者の雇用に関する状況に鑑み、精神障害者を法定障害者雇用率の算定基礎に加える等の措置を講ずる。

→平成28年4月(②は平成30年4月)からの施行を目指しています。平成25年4月から、企業に義務付けられている障害者の法定障害者雇用率が0.2ポイント引き上げられ、全従業員の2.0%とされましたが、今回の法律案が通ると、2.0%以上にさらに引き上げられることが予想されます。

 

 

障害者雇用についてなど、不安がありましたら、お声掛けください。政府も障害者雇用には積極的ですので、さまざまな種類の助成金も用意されています。

ハローワークを通じた障害者の就職も現在増加傾向ということです。
 

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フォレスト社会保険労務士事務所  林 英彦

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