令和5年度がスタートしたところですが、
さまざまな制度変更が行われ、新しい制度での行政の運営が本格化していきます。
令和5年4月からの厚生労働省関係の制度変更にはどのようなものがあるのか?
企業実務に影響がありそうな事項をチェックしておきましょう。
―――― 令和5年4月からの厚生労働省関係の制度変更 重要事項をチェック ―――
□ 月60時間を超える時間外労働の割増賃金率の引上げ(中小企業)
【主な対象者:中小企業で働く労働者とその使用者】 ・中小企業の月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率を25%から50%に引き上げる。
□ 賃金のデジタル払い制度の開始【主な対象者:事業者、労働者等の関係者】 ・従来から認められていた銀行口座等に加え、厚生労働大臣が指定する資金移動業者の口座への賃金支払を認める。
□ 男性労働者の育児休業取得状況の公表の義務化 【主な対象者:常時雇用する労働者が1,000人を超える企業】 ・従業員が1,000人を超える企業の事業主は、男性労働者の育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられる。
□ 雇用保険料率の変更【主な対象者:労働者及び事業主】 ・一般の事業における雇用保険料率(令和5年度)は、15.5/1,000(労働者負担分は6/1,000、事業主負担分は9.5/1,000)となる。
□ 第14次労働災害防止計画の策定【主な対象者:国、事業者、労働者等の関係者】 ・本計画では、2023年度を初年度として、5年間にわたり事業者等が高年齢労働者を中心とした転倒防止対策等の重点的に取り組むべき8項目の安全衛生対策について示している。 ・本計画に基づき、国は事業者に対してこれらの安全衛生対策の実施を働きかけるとともに、支援や意識啓発等を行っていく。
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☆ おおむね、これまでにも紹介していた制度変更ですが、今一度確認しておきましょう。
令和5年度労働保険の年度更新 令和4年度確定保険料の算定方法に注意
厚生労働省から、令和5年度の労働保険の年度更新について、お知らせがありました。
そのポイントを確認しておきましょう。
―――――――――― 令和5年度労働保険の年度更新のポイント ―――――――――
□ 令和5年度の年度更新期間は、令和5年6月1日(木)~7月10日(月)
□ 注意点:令和4年度確定保険料算定方法 令和5年度労働保険の年度更新では、令和4年度の雇用保険率が年度途中で変更されたことに伴い、令和4年度の確定保険料の算定方法が、次のように、適用事業の種類によって異なってきます。 ●「一元適用事業」及び「二元適用事業(雇用保険)」の場合は、保険料算定基礎額と保険料額を労災保険分と雇用保険分ごとに、前期(令和4年4月1日~同年9月30日)と後期(令和4年10月1日~令和5年3月31日)に分けて算出します。
→具体的には、次の手順で算定 Step1 「確定保険料一般拠出金算定基礎賃金集計表」に賃金の総額を記入し、前期・後期別に集計します。 Step2 「確定保険料一般拠出金算定基礎賃金集計表」の下段に新規に設けた「令和4年度確定保険料算定内訳」欄を使用し、保険料算定基礎額と保険料額を前期・後期別に算出します。 Step3 Step2で算出した保険料算定基礎額と保険料額を、年度更新申告書の下段に新規に設けた「㉜期間別確定保険料算定内訳」欄及び申告書中段の「確定保険料算定内訳」欄に各々転記します。
●「二元適用事業(労災保険)」の場合は、令和4年度の確定保険料の算定方法は例年と変更ありません。また、一般拠出金及び特別加入保険料の算定方法についても例年とは変更ありません。 |
☆ 通常の企業は、上記でいう一元適用事業に当たります。
令和4年度の確定保険料の算定方法が例年とは異なる手順となりますので、注意したいところです。