【判例】大日本印刷事件(採用内定の取り消し)

● 判 例

大日本印刷事件(採用内定の取り消し)  最高裁 昭和54年7月20日

 

● 概 要

・会社は、総合印刷を業とし、新卒採用を行っていた。

・従業員は、これに応募し文書で採用内定の通知を受け、承諾書を提出した。

・入社2カ月前に会社は従業員に対して「当初から感じていたグルーミー(陰気)な印象がぬぐえない。」として内定の取り消しを行った。

・従業員は、取り消しは無効で従業員としての地位にあることの確認を求めて訴えを提起した。

・最高裁は、従業員の主張を認めた。

 

 

● 解 説

採用内定の取り消しについては、某テレビ局のアナウンサーに内定していた女子大生が、過去にホステスのアルバイトをしていたことを理由に内定を取り消され争いに発展した例もあり、どの会社でも起こりうる問題ですね。

 

内定の取り消しが、大きな問題になるのは、原則として“内定通知”とその“承諾”が揃うと“労働契約の成立”と判断されるからです。

労働契約が成立した以上、内定の取り消しは解雇ということになり、労働法の制限を受けることになります。

 

但し、内定段階では、まだ勤務を開始しておらず、通常内定通知書には取消事由(卒業不可の場合等)が明記されているため『 始期付 解約権留保付 労働契約 』という位置づけになります。

 

この“解約権の行使”は、労働契約が成立しているため試用期間中の労働者を解雇する場合と同じレベルで妥当性が求められ、『採用内定当時知ることができず、また知ることを期待できないような事実であって、これを理由として採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨、目的に照らして客観的に合理的と認められ社会通念上相当として是認することができるもの限られる』と厳しく制限されています。

 

結局は、卒業ができず物理的に入社が不可能なケース等以外では、取り消しは難しいと考えられます。

よって、間違った選考をしないことが重要ですね。

リラックスした雰囲気で面接を行うだけでも相手の資質を垣間見ることができますので、適正検査の活用等と共に採用の在り方を見直してみましょう。

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