【判例】東洋酸素事件(整理解雇の有効性)

● 判 例

東洋酸素事件(整理解雇の有効性)  東京高裁 昭和54年10月29日

 

● 概 要

・会社は、酸素等の製造販売を業とし、従業員達は、その一部門で勤務していた。

・会社は、従業員達が勤務する部門について、赤字に転落し回復も見込めないため撤退の判断をして、これに伴い従業員達を解雇する旨を伝えた。

・従業員達は、解雇の前に配置転換や希望退職等を行うべきとして、解雇無効を訴え認められた。

・これに対して会社は控訴し、高裁は地裁の判決を取り消した。(解雇が有効と認められた)

 

● 解 説

従業員の能力不足等の解雇ではなく、会社の方に原因がある整理解雇についての案件です。

経営を続けていく中で、時代の移り変わりと共に採算が合わず撤退するような部門が出てきます。

通常は、人事異動により吸収するのですが、それも許されない経営状況の場合、整理解雇という判断になります。

 

今回の判例では、撤退部門については業界の構造的問題でやむを得ないこと、配置転換は他部門も過剰で将来的にも欠員の見込みもないこと、希望退職については求人難の時代背景から優秀な人材を失い作業能率が低下するリスクがあること等を勘案し、整理解雇はやむを得ないとジャッジしました。

この判例を基に実際に整理解雇を行う場合、整理解雇の4要件(4要素)という考えが確立しています

 

①人員整理の必要性 

該当部門の決算が実際に悪く回復が見込めないか?

②解雇回避努力

人事異動や出向など雇用を維持するための何らかの努力をしたか?

③人員選定の妥当性

恣意的に人を選んだのではなく、何らかの基準を設けてそれに従い客観的に選んだか?

④十分な協議(手続きの相当性)

①~③についてきちんと説明をして、従業員側の意見も聞いて実施したか?

 

いずれにしても、解雇については丁寧さが必要で、そもそもトラブルに発展しないために、相手に対して十分な配慮を心掛けることが重要ですね。

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