【判例】中労使(セメダイン)事件(管理職組合の団体交渉)

● 概 要

・会社は接着剤等の製造販売を業とし、従業員らは課長、担当次長など会社が管理職と定める者達であった。

・会社が管理職定年制を実施したことを受けて、上記の従業員達は管理職で組織する労働組合を結成して、労働条件の見直しを求め、会社に団体交渉を申し込んだ。

・会社は、管理職が参加する労働組合の団体交渉に応じる義務はないとして拒否した。

・労働組合は、行政に救済の申し立てを行い、行政は会社に団体交渉に応じるように命令した。

・会社は、この命令の取り消しを求めて裁判を行った。

・裁判所は、会社の求めを棄却して、行政が行った団体交渉に応じる命令を認めた。

 

● 解 説

「管理職は労働組合に参加できない。」というのは、一般的に言われることですね。

これは管理職(=会社の利益代表者)が労働組合に参加すると会社が労働組合を内側からコントロールできるようになり、労働組合の独立性が阻害されるためです。

 

そのため、社内に労働組合が存在する場合は、「組合員が部長や課長になった場合、労働組合から脱退する。」というルールが通常、定着しています。

この感覚からすると、管理職が結成した労働組合には“?マーク”がつき、「そんな労働組合との交渉に応じる必要はない!」というのが、経営側の感覚だと思います。

 

しかしながら、この判例では、会社が管理職の参加を理由に、労働組合との団体交渉を断る場合には以下のような、適正な団体交渉ができない特別な事情を立証しなければならないとされました。

◆団体交渉にあたる会社側の担当者がいなくなる(人事部長が組合側で交渉に参加する等)

◆交渉事項に関する会社の機密事項が組合側に漏洩している

 

また、管理職(=利益代表者)の定義も社内での呼称等によらず、この会社に対しては「直接権限をもつ監督的地位にある人事部長、および機密事項に接することができる人事部、総合企画部、総務部の次長、課長、担当職のみが該当する。」とコメントされており、管理職の範囲も会社が認識するよりも狭いと考える必要があります。

「管理職だから・・・」という感覚で、一方的に不利益変更を推し進めるリスクを理解して、労働条件の変更が必要な場合は、通常の労働者と同様に丁寧に話をする必要がありますね。

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